『クラッシュ』差別と偏見。そして少しの希望。 [Movie]
前々年度のアカデミー賞、作品賞を初めとする主要3部門でオスカーを取った作品、クラッシュ。
人間が多少なりとも持っている差別と偏見、そして生きていると多少なりとも感じる理不尽なこと。
そんな負の部分がいろんな人種や階層の人たちに、見えないところでちょっとずつリンクして絡み合い、ストーリーは展開していきます。
最初はひとつの小さなクラッシュ(事故)から始まります。
人種による差別、下層級に対する偏見が観ていてとてもおぞましい。
思わず目をそらせたくなるくらい。
そんなに白人種はエライのか。 エリート階級はスゴイのか。
そしてそれ故に生まれる理不尽な出来事の数々。
そんなはずじゃないのに、物事がどんどん悪い方へと導かれていく。
それが連鎖しているかのように、次々と。
ほんとにね、見ていてすごくつらくて。
多民族国のアメリカが抱える、奥深い闇の部分を見たような気がします。
なんて、アメリカだけじゃなく、どこにだって起こり得ることだとは思うけど。
いろんな人や家族、夫婦、それぞれの苦しみ・憎しみ・怒りが、ラストに向けて和らいで、ちょっとだけど希望が見えてきたってのが救いです。
若い正義感溢れる警察官、彼の行く末だけがかなり気になるけど。。
特に心に染みたエピソードが、鍵職人の父娘の“透明のマント”のくだり。
彼女が撃たれたときはあまりの理不尽さに涙が止まりませんでした。
だから彼女が助かったとき、「神様は存在するんだ!」ともっと泣けました。(笑)
アクションやCGのような派手さは全然なく、ストーリも淡々と展開していきます。
決して楽しめる作品じゃありません。
くり返し見たいと思わせる内容でもありません。
でも胸に重く、心に響く作品です。
そしてどこかでまた、クラッシュが起きてます。
こんばんは、お邪魔します。
透明のマントは、いいですよねぇ〜。
私も、一番好きなエピソードです。
by u_yasu (2007-05-21 22:31)
u_yasuさん、こんにちは。
透明のマントを娘に譲る父親、そしてマントがない父親を守ろうとする娘。本当に愛が溢れてましたね。
思い出しただけでウルウルです。
by iceblue (2007-05-22 08:48)